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末っ子の西村かおるさん(手前)と母。姉たちや兄とは約10歳の年齢差があった=高知市内、西村かおるさん提供

それぞれの最終楽章 百寿の母と排泄ケア(2)

日本コンチネンス協会名誉会長 西村かおるさん

 コロナ下の2020年6月、高知市の実家で当時97歳の母と暮らし始めた私と夫が直面したのは、母の失禁による悪臭と汚染でした。

 母の症状は、強い尿意に襲われると我慢できない「切迫性尿失禁」と、おなかに力が入ると漏れる「腹圧性尿失禁」の混合型でした。また自覚症状のない慢性膀胱(ぼうこう)炎も患っていて、尿の臭いがさらに強くなっていました。

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 そんな状況で、母は自分で布切れを何枚も用意し、それを紙おむつの中に入れて、汚れるとトイレの水などで洗って庭先に干していました。私は生乾きで強烈に臭う布切れに耐えかねて、「なぜ、こんなことをするの? 市販の尿取りパッドを使おうよ」と促しました。

 しかし母は「もったいなくて…

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